一般ファンが知っている競馬記者の仕事といえば、本命や対抗など印を打って予想をすること。そして、週中には各トレセンにおいて、追い切りの調教タイムを計り、どのレースにどの馬が出走を予定しているのかを調べ、出走予定馬の状態を取材し、レース当日にはレース後の騎手や関係者のコメント取るといった仕事が一般的なはず。
しかし、上記以外にも競馬記者にはアルバイト的な仕事がある。代表的なものがテレビやラジオでのパドック解説やレース解説だ。野球やサッカーを始めとする各種スポーツでは、それらの競技を実際に経験した、いわゆる名選手だった人が解説をつとめているが、競馬だけは実際にレースに騎乗した経験のない、机上の論理をふりかざすだけの競馬記者が行うという、実に不可思議なことが行われている。だから競馬サークル関係者の中には、テレビやラジオの解説者の言うことは「全く的外れで、腹立たしいだけ」と斬って捨てる人も少なくない。
また、騎手のエージェントという仕事もある。以前は騎手が自ら、厩舎回りをして営業し、騎乗馬を集めていたのだが、昨今ではエージェントが騎手に替わって営業したり、騎乗依頼を受けたりするケースが増えている。当然、騎手とエージェントの間には、エージェント料として月々決まった額が発生し、それプラス1着に来たら1万円などと金銭の授受が発生している。「少し前までは、リーディング上位の中堅以上の騎手にエージェントがつくというのが常識だったが、最近では若手騎手にもエージェントがつくようになってきた。実際に騎乗馬がより多く集まったり、成績が上がっている騎手もいるけど、騎手の知らないところで、エージェント個人と仲の良い調教師の馬を優先して受けて、先約の方の馬を断ったりして、騎手のイメージをエージェントが悪くしている場合もあるんだ。特に若手の騎手のエージェントがそういうことを繰り返していると、生意気だと干されたりもするから、騎手の今後はエージェントの人間性にかかっているとも言えるよね」とエージェント経験のある某記者。
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また一人の記者が複数の騎手を抱えているケースもある。関西の某老舗新聞の○原記者が代表格だ。自分が担当する騎手の中で、一番ランクが上の騎手が受けられなかった依頼(既に他の馬へ決まっている場合がほとんど)を、他の担当騎手に横流しするというのが、複数の騎手を抱えるエージェントの手法だ。またトップランクの騎手にはふさわしくない馬の依頼が来た時も、ランクが下の騎手へ回すこともある。またエージェント同士で、常に情報交換をしているのだが、所詮、ライバルなので実際はうわべだけの会話。お互い腹の探りあいをしていることがほとんどだ。ただ、同じ社のエージェント同士は、わりと横のつながりは強い。
しかし、新聞記者がエージェントを兼任することを疑問視する向きもある。某競馬ジャーナリストは「新聞で印を打つ側の人間が、ある特定の騎手の騎乗馬を集めているというのは公正ではないし、実際に競馬新聞の社則でアルバイト禁止を謳っている社も多い。ただ、それでもエージェント業を黙認する新聞社がほとんど。新聞記者がエージェントを兼業するのが手っ取り早いのかもしれないが、もっとフリーの立場の人がエージェント業をやった方が風通しが良くなるのでは?」と問題提起する。ちなみに、現在新聞社に所属していないトップジョッキーのエージェントは、武豊騎手と内田博幸騎手と蛯名正義騎手のエージェントのみ。その他のエージェントはそのほとんどが新聞社に帰属しており、勝てもしない馬に自分のお抱えの騎手が乗っている時に、繋がりのみで重い印を打ったり、また勝てる馬へ乗っている際、自身の儲けのために軽い印を打ったりと一般ファンにとっては「ハタ迷惑な行為」を繰り返している状況である。
ただ、逆にいえば騎手と密接な彼らの「本音」さえ引き出されば、馬券的中は「簡単そのもの」。私のような者にはかなり重要である。彼らの情報が馬券的中の近道といって問題はないだろう。
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